長男・長女の恋模様―真面目×真面目=?!?
「そんなに小さくならなくていいよ。もっとこっちにおいで」
その声に誘われて、私は悠斗さんのそばに寄った。
そして、ちょこんとその肩に頭をコツンともたれさせる。
こんな甘え方をしたことは無いけれど、近くにいったらちょっと自分から触れたくなったのだけれど……。
指輪を貰った時は嬉しくって勢いがあったから出来たけれど、抱きつくとかそんな高度なことは私には出来なくて。
このくらいの触れ合いが、普段の私には限界。
そんな、私の初めて見せる小さな甘えを悠斗さんはちゃんと分かってくれる。
肩口に預けた頭を、優しくゆっくり撫でてくれる。
その大きく温かい手が心地いい。
私は、ふぅと安堵の息をつく。
広くて綺麗でモダンな空間。
ここに慣れる時もくるのかな?
「ここは落ち着かない?なんなら梨乃のうちみたいなカントリーな感じに模様替えしてもいいよ」
サラッと言うので、思わずビックリしつつ直ぐに返事をする。
「模様替えって、そんなことしなくて良いですからね!?ちょっと大人な雰囲気に慣れてないだけですから!」
勢い込んだ私の返事に悠斗さんはちょっと目を見開いたあとに、クスッと笑って言った。
「じゃあ、慣れるくらいここで過ごして。もう、ここは梨乃のうちも同然だから」
いい笑顔で、イケメンがこんな破壊力抜群の発言していいんだろうか……。
まぁ、付き合ってるんだからいいのか。
もう、慣れない事の連続にそろそろ私の思考回路の回転が鈍くなってきた気がする。
たぶん、間違いなくそうなのだろう……。