長男・長女の恋模様―真面目×真面目=?!?

自分の考えにウンウンとひとりうなずいていると、悠斗さんは私の髪を撫でてくる。

「なにを考えていたの?」

その問いに私は自分が考えていたことを話す。

「悠斗さんは仕事柄もあるけれど、人付き合いが広いなと思って。私は双子を見てたから、双子も懐いてる麻里花くらいしか仲のいい子が居なくて。世界が狭いかなって……」

私の頭を撫でていた悠斗さんは、私の言葉に笑って返してくれる。

「梨乃は、それはいい事だと思う?悪いことだと思う?」

私は少し考えたあと、正直に答える。

「私は私や私の周りの事理解してくれる人に恵まれたと思うから、狭くてもそれでいいと思う。悪いことだとは思わない」

そんな私の答えに悠斗さんは優しく微笑んで、うなずくと言ってくれた。

「僕の世界が広そうと言ってくれたけれど、僕だってプライベートの付き合いはそう広くない。仕事上知り合う人と知り合う機会は多いけど、それは仕事の付き合いだからね」

そして、さらに付け加えられる一言に胸がキュンとなる。

「それに、自分を理解してくれるような友人は深く付き合える仲だろう?それは少なくても一人いれば幸せなものだし。梨乃が良いと思えるならそれでいいんだ」

さらに爆弾のような甘い一言が続いた。

「それに、そのおかげで梨乃の初めての彼氏になれたわけだし。僕的には役得かな」

そう言って微笑んだ顔は艶めかしくて、私は直視出来なかった。
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