長男・長女の恋模様―真面目×真面目=?!?
そんな私には可愛いものは似合わないだろう。
ちょっと沈んだ私に、悠斗さんは実に呆気なく言った。
「僕は、昔から梨乃を知ってるんだよ?可愛いものが好きなのもとっくに知ってるし。梨乃に似合わないなんて思ったこともないよ。だって梨乃は僕には可愛いの塊みたいなもんだからね」
言われた言葉にブワッと顔が真っ赤になるのを感じた。
「悠斗さんは、知的クールなイケメン男子。ハイスペックで仕事の出来る男ってその通りだけど。実は結構喜怒哀楽出るし、実は大雑把なとこもあるよね」
それは一緒に生活して分かったこと。
結構、仕事以外の生活面は雑な部分がある。
洗濯ネットを使わずひょいひょい洗濯機に放り込んだり、色物を分けなかったり。
料理も、出来るけど。
結構豪快だった。
見た目繊細そうなだけにビックリしたけれど、その大雑把さは適度であって嫌ではない。
なので、自然と掃除やら洗濯の細かいところは私がやっている。
そこを特にどうこう言うこともないので、悠斗さん的にも問題ないのだろう。
「そうだね。仕事はきっちりしてる分、家では抜けるところは抜いちゃうんだ。実は大雑把なんだよね」
ニコニコと認める発言も気負いないから、私の前では悠斗さんは自然体に近いんだろう。
私はまだ少しぎこちない時もある。
いつか一緒が当たり前になって、慣れる日が来るのかな。
片付けつつそんなことを考えてると、お風呂が準備できた音がした。
「梨乃先に入っていおいで」
「ありがとう。先にもらうね」
そうして、順番にお風呂に入ると私達は疲れからか翌日昼頃までぐっすり眠ったのだった。