長男・長女の恋模様―真面目×真面目=?!?

そのまま、いつもの様に各々で家事を進めると出かける準備をする。

明日は両家顔合わせだ。
私はもう既に悠斗さんの家には顔を出しているけれど。
自分の親に、引き合せるというのも結構緊張するものなんだなと思う。

ちょっと考えると明日のことで、緊張気味になる私とは対照的に悠斗さんは結構悠然としている。

「なんか、悠斗さん落ち着いてるよね?」

思わず口にすれば、悠斗さんは小首を傾げつつ言った。

「そうだね。だって僕は梨乃をお嫁さんにくださいってお願いするしかない立場だからね」

結構、あっさりと言うが確かに両家顔合わせとはそんなものである。

「だって、反対される感じはないし。仮に反対されても梨乃を諦めるつもりは無いから、地道にお話していくだけでしょう?僕のやることは決まってるからね」

悠斗さんの実に頼もしい感じに、私の胸はキュンキュンだ。
どんだけ好きにさせれば気が済むのだろう。

日々増えてく感情に私は翻弄されている。
それが嫌じゃないし、心地よくもあり恥ずかしくもある。
恋心とは複雑難解な仕様だ。

思考に没頭している間に悠斗さんも出かける準備が済んだようだ。

私達は今日は両親と双子へのお土産を買いに出かける。
私は悠斗さんの御両親に向けてのお土産を買うつもりだ。
私たちのために時間を作ってくれるのだから。

そんな訳で、お出かけに行くことにした。
本日の目的地は銀座である。
なので、シンプルで落ち着いた大人な深い青のワンピースに半袖レースのボレロを合わせた。
悠斗さんも、黒のスラックスにブルーのリネンシャツ黒のリネンジャケットである。
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