長男・長女の恋模様―真面目×真面目=?!?
そんな形で、驚きつつも席に着いた頃に我が家の家族も顔を出した。
両親と、由乃と志乃だ。
心持ち、緊張気味の両親はついた先にいたメンバーに驚く。
「まぁ、泉さん!」
「お久しぶりです、金山さん」
そう、我が家の母とさくらおば様は授業参観などで顔見知りである。
「おばさま、お久しぶりです」
そこに麻里花も挨拶する。
「まぁ、麻里花ちゃん。久しぶりね!すっかり綺麗になって!結婚したのよね?おめでとう」
そんな感じで、両家顔合わせは実に和やかにスタートを切った。
主に母達の楽しげな会話によって。
そんな会話の横で、父同士も挨拶を交わしていた。
大手商社の社長秘書なおじ様と、かたやフリーのカメラマンの自由奔放な父。
系統の違うふたりだが、娘を持つ父という点において共通する。
しかも、先に送り出したことがある健一おじ様とすっかり話し込み始めた父。
なんか、これすっかり顔合わせという名の楽しいお茶会になりつつ合った。
まぁ、両家仲が良いことは有難い。
話して、少し落ち着いた頃母と父はおもむろに悠斗さんに聞いた。
「この子は我慢強くて、しっかりしているけれど本当は甘えたいのに甘え方が分からない。そんな子なの。しっかり者の長女で私達もすっかり甘えてきてしまったから」
母の言葉に父も目線を合わせてうなずく。
「だからね、娘の決めた相手にあれこれ言うことは無いんだ。ただ一つ。梨乃とふたりで仲良く幸せになってくれればそれでいいよ」
両親は穏やかに言った。