長男・長女の恋模様―真面目×真面目=?!?
そうして、騒動から一週間。
社内ではすっかり私と悠斗さんが結婚したことは知れ渡り、しかも悠斗さんが私に甘く接することからもこの結婚は事実でしかも悠斗さんが私に求婚したのだという噂が一気に広まった。
そのおかげからか、あの後は特に絡んでくるような人もなく快適に仕事に励んでいる。
常務の娘さんで先輩に関して言えば、その後こっそり常務から謝罪を受けた。
常務からの謝罪後、先輩は花嫁修業の名目で早期退社。
現在はお見合いに向けて色々しているらしい。
こんなにできる常務なのに、先輩はどうしてそうなったのか少し謎だけれど。
まぁ、無事何とかなったのでよしとしようと思う。
顔合わせ後、志乃と由乃は私たちの家に遊びに来た。
その時に、テーマパークのお土産を渡すと二人はとっても喜んだ。
そんな遊びに来た時の会話には驚かされたものだ。
お土産を渡し、お茶を入れて戻ったところで由乃が口を開く。
「それにしても、お姉ちゃん達長かったね」
「ほんとよね。出会った頃から惹かれあってたくせになかなかお付き合いしてるとも聞かなくてじれったかったよね」
そんな話をする双子に、私と悠斗さんは顔を見合わせて聞き返す。
「それ、どういうこと?」
私の質問に由乃はあっけらかんと答えた。
「だって、私たちと一緒の時に会った時義兄さんお姉ちゃん見て嬉しそうに笑ってて、これは!って思ってたんだよ」
「そうそう、なのに一向にお付き合いの気配はなくて。どうなってるんだ!?って思ってたよね」
私達はお互いが鈍かっただけで、周りには気持ちがだだ漏れだったことを知り、恥ずかしくなったのだった。