長男・長女の恋模様―真面目×真面目=?!?
そうして、双子は私たちをからかうだけからかうとまたも余計に一言添えて帰って行った。
「いくら姉妹でも新婚さんのお邪魔はしちゃダメだよね!」
仲良く顔を見合わせて、言い合うとふたりは迎えに来た母と帰って行ったのだった。
ふたりが帰ると、いつも通りにふたりだけなので静かになる。
これが通常なんだけれど、明るく元気で賑やかな双子が居たので少し寂しくなった。
ちょっと前までは、姉妹三人で仲良く生活していたから。
あの賑やかさが日常だったのだ。
「梨乃。寂しい?」
悠斗さんは、私の少しの変化も見逃さない。
今も少し寂しいと感じただけなのに気遣ってくれる。
私にはもったいなくらい出来た旦那さんだ。
「少し前まではあの賑やかさで生活してたからね。ちょっと静かで寂しいかなと思っちゃった」
苦笑しつつ私が言えば、悠斗さんは髪を撫でて言った。
「そうだよね。姉で保護者替わりで。三姉妹で仲良く生活してきたんだもんね」
それにコクんとうなずいて、私は隣に座った悠斗さんにぎゅっと抱きついた。
「でもね、寂しく思っても戻りたいとかはないの。だって、今は悠斗さんが一番近くに居てくれるから……」
素直な気持ちだけれど、言ってて恥ずかしくなって抱きついてるのをいいことに悠斗さんの胸に顔を埋めて赤くなる頬を隠した。
「うん、一緒にいるよ。離れる気はサラサラないしね。僕には、今の梨乃の言葉がすごく嬉しいよ」
おずおずと顔を上げた先には、甘い顔をして笑う悠斗さん。
私の顔はますます赤くなるのだった。