ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~
「晃一も、ひかりのことが好きだったんだね。悲しかった?ひかりが居なくなって」


ひかりに対する劣等感から、意地悪な聞き方をしてしまった。


「悲しいって言うよりは、寂しかったかな?結構、仲良くやってたつもりだったから・・・その当時は、結構堪えたよ。でも、今は待つことにしたんだ」

「待つ?ひかりは、死んだんじゃ・・・」

「死んでない。死んだ証拠は、何もない。だから俺らは信じて、ひかりの帰りを待つことにしたんだ。待ってくれる人が居なきゃ、ひかりも帰って来難いだろうし」


そう言って、笑みを溢す晃一に、ドス黒い感情が湧き上がる。

冷静になれ、あたし。

感情的になっても、良いことなんて何もない。

落ち着け、あたし。

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