ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~
ちょ、ちょっと待って。

さっき、壱也は何と言った?

あたしの聞き間違えじゃなきゃ、あの女を「ひかりの母親だ」と言わなかった?

あの女が、ひかりの母親?

ならあの女の子供が、ひかり?

ただの点が、繋がり始めようとしている。


「俺だって、おばさんがなんであんなことしたのかわかんねぇよ」


壱也は困惑しているようで、荒々しく頭を掻く。


「ねぇ、ひかりの写真ある?」


正直、確かめたくなんかない。

もしイチがひかりだったら、全てが繋がってしまう。

知りたいと望んでいたのに、いざ直面したら知るのが怖い。


「あると思うけど・・・」


千郷は、携帯を取り出す。

そして、画面をこちらへと見せる。


「これが、ひかり」


これがみんなが求めていた、ひかり。

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