ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~
ねぇ、イチ。

あたし達の世界は、自分たちが気付く前から交わっていたんだね。

イチにとっては壱也を軸に、あたしにとっては千郷や晃一を軸に・・・

そしてハルが、全てを繋げた。

イチを苦しめた、彼や彼らを心の中で憎んでいた。

なのに無知なあたしは、見落としていた。

バカだね、あたし。


「レイちゃん」


心配そうに、ハルが名を呼ぶ。


「ハルは、知ってたんだよね?あの子がひかりだって」


知らないわけない。

でも、ちゃんと確認しておきたかった。


「うん」


ほら、ね。


「ひかりは知らないけど、ひかりと同じ顔をした子のことは知ってる」

「今、ひかりがどこにいるか知ってるのか?」


いきなり、壱也が詰め寄ってくる。

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