ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~
「価値のない人間も、ましてや死んで当然の人間もいない。それと誰が何と言おうと、玲は他でもない私の娘だ。まだ言いたいことがあるなら、ゆっくり署で聞きます」


···お父さん。


「綾野。玲を頼む」


お父さんは千郷のおじさんにそう言い残し、あの女とその場を後にした。


「大丈夫?玲ちゃん」


あたしは、小さく頷く。


「おい、親父。どういうことだよ。ちゃんと説明しろよ」

「そんな簡単に、ペラペラ喋れるか。もう少し玲ちゃんの気持ち考えろ、バカが」

「あたしのことは、気にしなくても大丈夫です。知られて困るようなことはないですから」


そもそも、隠していたわけじゃない。

ただ誰にも聞かれなかったから、話したことがないだけだ。

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