ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~
「そういえば転入届を持ってきてましたけど、お引っ越しですか?」

「そうなの。ずっと悩んでたんだけど、7年ぶりに戻ってきちゃった」


···7年、ぶり。


「悩んでたって?」

「こっちに戻って来たら、自分の選択を後悔するような気がして。全てを手放してまで選んだことなのに、後悔なんてしたくないじゃない?それに後悔したところで、過去なんて変えようがないし」

「そうですよね。それで、今の岩崎さんは後悔したんですか?」


彩華は嬉しそうに口元を上げ、首を横に振った。


「全ッ然。むしろ、来て良かった。玲と、友達になれたし。あたしの選択は、間違えばかりじゃなかった。ありがとう、玲」


彩華の瞳から溢れた涙は、頬を濡らした。

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