ミラートリック～キミの優しすぎる愛に溺れる～

「だって、詳しく話したら来ないかもしれないじゃん。蓮見」

「来たくないのに、連れて来たら可哀想だろ」


晃一は、盛大なため息を零す。


「北棟で生活するなら、説明するより見た方が早いじゃん。見てヤバいと思ったら、関わらなきゃ良い話だし」

「お前なぁ」


千郷の言葉に、晃一は心底呆れる。


「ねぇ。意味わかんないんだけど」


そんなあたしに、晃一はわかりやすく説明を始める。


「北棟は南棟と違って、ヤンチャな奴らが多い」

「それは、知ってる」

「そのヤンチャな奴らは、不良グループに大概の奴は属してんだよ」


不良グループ？


「で、今向かってるのが、その不良グループの会合だ」


それに、あたしが行って良いモノなの？