ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~
耳を塞ぎたくなるような、爆音が室内を包み込む。

千郷も晃一も、当たり前のように足を進める。

カウンターのような場所に着くと、千郷がドリンクを注文した。


「蓮見、何飲む?」


いきなりそんなことを聞かれても、何があるかわからないから返答に困る。


「何があるの?」

「大抵のモノは、揃ってるよ」

「ウーロン茶」


千郷は、あたしの言葉を聞くとカウンターの中に居る人に頼む。

カウンターの中に居る人は慣れたように、ドリンクを準備する。

そして洒落たグラスに入れられた、ドリンクを手渡された。

ただのウーロン茶なのに、グラスが洒落ているせいか美味しく感じる。


「タク。この子、俺の連れだから」


晃一が、あたしに視線を送る。

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