ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~
「結構です」

「冷たいねぇ〜。俺のこと、知らないの?」


知るわけないじゃん。

あたしには、あんたみたいなガラの悪い知り合いは居ない。


「え?マヂで、俺のこと知らないの?」

「はい。だから、放って置いて下さい」

「・・・おもしれぇ」


そう言い、男は怪しい笑みを浮かべた。

こっちは全然面白くないんですけど。

むしろ知らない男に絡まれて、感じが悪くて仕方ない。


「俺ねぇ、阿須賀(あすか)」


・・・は?

何、いきなり自己紹介してんの?

別に、あなたの名前なんて興味ないんですけど。

名乗られたとこで、呼ぶ機会なんてないし。

あたしは、冷めた瞳を向ける。

そんなあたしの様子を見て、男はさらに楽しそうだ。

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