ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~
そう思い、あたしは思いっきり腕を振り払う。

思っていた以上に、スルッと阿須賀の手から解放された。


「あッ!」


阿須賀の口からそんな言葉が溢れた気がしたが、あたしは気にも止めずに走り出した。

また、捕まるわけにはいかない。

だから、あたしはできる限り全速力で走った。

どれくらい走ったか?自分でも、わからない。

今、自分がどこに居るのかも、理解出来ていない。

車通りも少ないし、街灯も少ない。

さっきのこともあるし・・・

ここは、千郷にでも連絡して迎えに来て貰おうか?

そんな考えも浮かんだが、自分の居場所すら把握出来ていないのに、連絡のしようがわからない。

・・・どうしよう?

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