ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~
阿須賀に、用はない。

ハルに用があっても、この場では言えないけど・・・


「この煩いのも、居るんでしょ?」


ハルを見てたと察しられないように、阿須賀を使って誤魔化す。


「あぁ、居るかもね?」

「何々、俺がどうしたって?」


千郷はワザと大袈裟なため息をつき、阿須賀に尋ねる。


「阿須賀、今日は来るの?Siriusに」

「行かなきゃ、殺される~。遅れただけでも、大変なのに。なぁ、トモ?」

「時間までに来れば良いだけの話だろ」


ハルの言葉は、正論だと思う。


「壱哉(いちや)だって、昔は女のせいで遅れて来てたのによ~。ひかりちゃんが居なくなった途端、厳しくなっちゃって」

「おい」


ハルが、これ以上言うな。とでも言うような視線を向ける。

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