ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~
「みんな、薄々気付いてるっての」

「知らねぇ奴も中にも居るだろ」

「あぁ~」


あたしのことを見て、阿須賀は意味あり気な顔をする。


「蓮見ちゃんは知らないかぁ。てか、ひかりちゃんの存在すら知らねぇんじゃねぇ?」


ひかりちゃん?


「ひかりが、どうしたって?」

「・・・壱哉」


突然現れた男に、阿須賀の顔が引きつる。

この男、此間イチとハルと一緒に階段から降りてきた男だ。

そして、あたしの視線を掴んで離さなかった男。

やっぱり、あたしの記憶上に彼は存在しない。

だけど、やっぱりあたしは彼を知って居るような・・・

もしかして、彼も"知り合い"の知り合い?

だとしたら、この彼はあたしの目的に1番近い人かもしれない。

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