ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~
「お前ら、みんな知り合いなのか?」


壱哉の視線はあたしから、ハル、阿須賀、千郷へと向く。


「ただのクラスメイト」


ハルは、サラッと答える。

ただの、ね。

それに、地味に傷付いた自分がいた。


「俺の女」

「バカじゃないの?蓮見が、阿須賀のこと相手にするわけないじゃん」


阿須賀のことを、千郷が冷めた視線で罵倒する。


「蓮見はねぇ、晃兄でも振る女なんだよ?」


「マジかよ?!」


千郷の言葉に、阿須賀が食いつく。


「マジ、マジ。大マジ!それなのに、阿須賀ごときが相手にされるわけないじゃん」


ドヤ顔で話す千郷の言葉を真に受けたのか、壱哉とハルがこちらを見る。

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