ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~
「でも、来て良いよ。それに、どんな形でもレイちゃんと一緒に居たい。少しでも、長く」


また、ハルは悲しそうに笑った。


「此間、あんなことを言って置きながら、自分勝手だよな」


あたしは、首を横に振る。


「レイちゃん、好きだよ」


今まで、何度も言われた。

だけど、今日はハルの心の悲鳴のように聞こえた。

チクチクッと、切ない痛みが胸を締め付ける。


「・・・ハル」

「うん?」


あの頃に、戻ろっか?

その言葉は、声にならなかった。

あの頃に戻れたら、今みたいな悲しそうに笑うハルの姿も、この切ない胸の痛みも知らずに済んだ。

だけど、戻ってしまったら・・・

本当の自分に戻れる場所を、あたしは一生失うことになる。

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