ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~
「レイちゃん。大丈夫だよ、俺は」


そう言い、ハルは優しくあたしの頭をポンポンッとする。


「レイちゃんの痛みは、俺にはわからない。だけど俺の痛みなんかより、レイちゃんの痛みの方がもっと苦しくて、もっと辛いはずだよね。ごめんね、取り除いてあげられなくて。ごめんね、力になれなくて。ごめんね、レイちゃん」


ハルは、何も悪くない。

何も、悪くないのに・・・

どうして、謝るのよ。

苦しいよ、胸が・・・はち切れそうだ。


「もう、いっぱいハルのことを傷つけた。たぶん、これからもあたしはハルを傷つける」

「大丈夫だよ、レイちゃん」


なんで、そんな風に言えるの?

あたしは、ハルを傷つける人間なのに・・・

ハルの優しさが、もっと・・・

あたしのことを、酷い人間にするんだ。

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