ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~
「そこに出入りしてる千郷も、まともじゃない」

「えぇ?何それ!あたしは至ってまともな人じゃん」


どの口が、サラッとそんなことを言えんのよ!


「まぁ、あたしはどこに居ても、誰かのお飾りでしかないけどね」


さっきとは違い、千郷の声色が自嘲的に聞こえた。


「どこに行っても警察官の娘か、有名な晃兄の妹としか見られない」


まるで、千郷は自分自身を見て欲しいと言っているようだった。


「まぁ、それで得してる部分もあるけどね?」


そう、笑って誤魔化そうとしている千郷が痛々しい。


「だから、いっぱい利用しなきゃ損だよねぇ~」


そんなこと、これっぽっちも思ってない癖に・・・

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