ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~
「ごめん。・・・ありがとう、蓮見」


そう言って、笑う千郷は子供みたいだった。

涙を手で拭うと、千郷は「行こ」とあたしの手を引き、歩き始める。


「蓮見で良かった」


こちらを見ずに、ただ前を向いて言う千郷の言葉の意味がよくわからない。


「あたし、結構蓮見のこと好きなんだよ」

「そっち系?」

「違うよ!初めて蓮見会った時、愛想のない子。そう思ってたんだけど、気になって仕方なかった」

「その頃からなんだ」

「違うから!」


わかってるよ。


「たぶん。初めて会った、あの時から・・・あたしは蓮見の持つ独特の雰囲気に、毒されたのかもね」


毒されたって、その言い方・・・

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