ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~
たくさんの人が溢れている、Sirius。

この中に、あたしのように彼女の存在を否定する人間は居るだろうか?

もし居るのであれば、あたしは会いたい。

その人となら、何もしなくても仲良くなれるような気がする。

でも、そんな人・・・ここには、きっと居ない。

あたしは目の前にあるグラスに手を掛け、一気に体に流し込む。

乱れた心を、少しでも落ち着かせるために・・・


「すいません。同じの下さい」


あたしは、タクに飲み物を頼む。


「どうぞ」


そう言い、タクは慣れた手つきで頼んだもの提供する。


「蓮見ちゃん。何か、荒れてる?」


口元を緩ませ、尋ねてくるタクに少しだけ苛立つ。

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