ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~
「そんなことないですよ?ただ、喉乾いてただけです」

「そ?俺には、ヤケ酒のように見えたけど?」


ヤケ酒って、あたしが飲んでるのはウーロン茶だし。


「まぁ。嫌なこともあると思うけど、ここでは楽しまなきゃ損だよ?」


楽しむ?

楽しいこともないのに?


「ホラ、役者も揃ったし」


タクは、視線を階段の方へと移す。

すると此間と同じように、歓声に包まれた。


「彼らが姿を現しただけで、なんで歓声が上がるんですか?」

「アイツらが、RISKYの上に立つ人間だから」


だから、何?

あたしには、さっぱり理解できない。


「ここら辺は、RISKYの縄張り。だからこそ、アイツらは人気なの」


傍に居た、千郷が口を開く。

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