ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~
「何処でも、権力を持つ者は人を魅了する。それに、アイツらは無駄に顔も良いしね」

「ああいうのが、千郷の好みなんだ」


あたしには、全く理解出来ない。

まぁ、好みなんて人それぞれだしね。


「ち、違うし」


少し動揺したように、千郷は否定する。

だけど、その様子を見て、誰が千郷の言葉を信じると言うのだろうか?


「千郷は、阿須賀一筋だもんな」

「ち、違う!!」


タクの言葉に、千郷は爆音に負けないくらい大きな声を出す。


「そうだったんだ」

「違うから!本当に!!」


そんな必死に否定してたら、尚更疑わしいよ。


__グイッ__


いきなり、千郷があたしの腕を引く。

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