BAD & BAD【Ⅰ】
不良撲滅隊?
なんて物騒な響きなんだろう。
怖っ。
それに――。
へんてこな髪型の不良は、肯定するみたいに、相手の顔面を勢いよくぶん殴った。
「任務完了」
ポツリ、独り言を落として。
気絶した不良の首根っこを掴んで引きずりながら、私とは反対方向に進んでいった。
「ふーん」
――NINA、ねぇ。
細い路地に入ったへんてこな髪型の不良に、ニヤリと不敵に笑う。
面白いものを見れたなぁ。
私は下ろしたフードから黒髪を垂らして、鼻歌まじりに家へ向かった。