BAD & BAD【Ⅰ】
喧嘩か!?
喧嘩しに行ったのか、不良ボーイズ!
書置きもなしに、暴走しに洋館を出て行ったのか!?
私を置いていくなんてひどい。
たかやんじゃあるまいし。
ケーキを食べる気満々だったこの気持ちをどうしてくれる!
期待していた分、ショックが大きい。
私の胃袋は、ケーキを求めているのにぃ。
「あははっ、おかえり~」
「罰ゲームとは言え、散々でしたね」
……ん?
テンションが下がりまくっている私の聴覚が捉えた、弘也のかるーい声と真修の同情する声。
他にも、騒がしい声音がうっすらとどこからか聞こえてきた。
私は、声のする方へ導かれるように、近づいてみる。
「広間からだ」
遊戯室と対の場所にある、広間から声が響いている。
滅多に入ったことないし、使ってるところを見たことがない。