BAD & BAD【Ⅰ】
女子として負けてる。勝てる自信がない。
でも、いいんだ。今日は女子力なんかよりも、胃袋を満たすことが大事だから!
「おっ、幸珀じゃーん。今日は夜中まで、総長から陥落した阿呆な幹部の復帰パーティーやるから、一緒に盛り上げようね☆」
私がお皿いっぱいに料理をのせていると、弘也がスマホで自撮りしながら話しかけてきた。
「今日の弘也、いつも以上にウザ……い、よ」
ため息まじりに料理から弘也へ視線を移した私は、思わず固まってしまった。
弘也の隣を見て。
え、の一音すらも、こぼれない。
見間違い?
1回瞬きをしてから、もう一度弘也の隣を見据えた。
やっぱり、現実は変わらなかった。
私だけじゃなく、あっちも硬直している。
どうしてですか、神様。
あんなにお願いしたのに。
た、確かに少しはまともな奴ですけども。
私は、こんな展開を望んでいたわけじゃないんですー!