BAD & BAD【Ⅰ】
「はい、どうぞ凛さん!京!……ほらよ、新入り」
桃太郎、態度違いすぎない!?
私へのケーキの渡し方が雑!!
「ほら、さっさと受け取れよ」
「う、うん、ありがと」
桃太郎は半ば押し付けるように、私に切り分けたチョコレートケーキを乗せたお皿を渡した。
副総長と師匠のを見れば、フォークもついている。
だけど、私にはフォークはない。
確信犯か、桃太郎。
他人には、平等に優しく接しなさいって教わらなかった?
私が言えるようなことじゃないけど。
私もたまに、ごくたまにだけどね、態度が変わることがあるけど!
いや、ここは黙っておこう。
ついに念願のケーキを食べられるんだから。
私は自分でフォークを取ってきて、チョコレートケーキを一口サイズ(大きめ)に大雑把にカットして食べた。
「んっ!」
う、うまい!