BAD & BAD【Ⅰ】
チョコレートクリームは濃厚だけどくどくないし、ココア風味のスポンジケーキはふんわりしていて、たっぷりデコレーションされた苺も甘酸っぱくて美味しい。
それらが全部絶妙に合わさって、ちょうどいい甘さになってる。
なんだこれ!クリームとケーキ本体と苺のコンビネーション良すぎだろ!
これを作った桃太郎は天才なのでは?
「桃太郎!」
「な、なんだよ!?」
「ありがとう、ありがとう!!」
「は?」
感動のあまり、パティシエである桃太郎の手をギュッと握って、強く強く握手をした。
チョコレートケーキを作ってくれて、本当にありがとう!
小泉パパのお説教があったせいで疲れてたけど、耐えてよかった。
これから毎日ケーキを作ってくれたらなぁ。
「また腕を上げたな、桃太郎」
「鷹也、サンキュ」
「これすごく美味しい!」
「京もサンキューな」
「お店で売ってそうなくらい美味しいです」
「喜んでくれて嬉しいぜ!」
たかやんと師匠と真修が、私に続いてチョコレートケーキを絶賛した。