BAD & BAD【Ⅰ】
「さっすが料理男子、桃太郎。これで背が高ければモテるんだろうね~」
「一言余計だっつの。背なんか、これからいくらでも伸びるわ!」
「あ、そっか。中学生は成長期これからだもんな」
「俺は高校生だあああ!!」
弘也は、相変わらず桃太郎をからかっている。
ねぇ、桃太郎。
これだけははっきり言っておくね。
身長はもう伸びないだろうから、あきらめなさい。
「……うまい」
「えっ!?」
副総長の呟き声に、弘也と喧嘩していた桃太郎がすぐに反応した。
「り、凛さん、今……!」
桃太郎は光がいっぱいの瞳で、副総長を見つめる。
副総長は桃太郎の方には目もくれず、夢中になってチョコレートケーキを食べていた。
その光景が、桃太郎にとってはとても嬉しいものだったらしく。
「よっしゃー!!」
桃太郎は大きくガッツポーズをした。