BAD & BAD【Ⅰ】
けれど、たかやんの憤怒の色は変わらず。
たかやんの機嫌がさらに悪くなる前に、被告人達……というかこの場にいる全員は一斉に正座をした。
そういう空気だった。
逆らってはいけないと、本能が悟っていた。
「食べ物を粗末にすんのは言語道断。わざとでもそうじゃなくても、こぼしたのならちゃんと拭け。そのまんまにして放置すんじゃねぇ。それと、パーティーが終わったら片付けがあるってことを忘れんじゃねぇ。こういう時、いつも片付けしてやってんのは誰だと思ってんだ!」
たかやんの説教は、3時間にも及んだ。
足がしびれて正座が辛くなっても、何も言えなかった。
ねぇ、たかやん。
私、知らなかったよ。
たかやんって、綺麗好きだったんだね。
迫力のある説教の後、
私達は土下座をして、声を揃えて「すいませんでした」と謝った。