BAD & BAD【Ⅰ】
「ていうか、たかやん何してんの?」
「見りゃわかんだろ?本棚の整理だよ」
「へぇ~。うわっ、表紙からして難しそう……」
窓拭きを終え、本棚の前にいるたかやんに近づき、たかやんが手にしている本を覗く。
数学的理論、新選組物語、外国へ行ってみよう講座、ティータイムのマナー、視力アップの秘訣……などなど、様々なジャンルの本があった。
何これ。誰が読んでるのかすごく気になる。
ざっと見て100冊はあるけど、皆って読書家だったの?
「いっぱいあるんだね」
「先代の人達の物が置きっぱなしになってたりするからな」
なるほど。それでこの量なのか。
あの連中が読書家なんて、そんなわけないよね。
私だけ取り残されてなくて安心したよ。
「あっ、『弱音を溜め込まないために』って本もある。誰が読むのー?あはは」
デリケートな不良もいたもんだ。
先代の人のかな?