BAD & BAD【Ⅰ】
誰だよあんた。
金髪の知り合いなんていないわ。
「俺だよ俺」
「オレオレ詐欺?」
「それは電話でしなきゃ意味ないんじゃないのか?」
いや、そんな真顔で返されても困ります。
こちとら冗談のつもりだったんですが。
……で、本当に誰?
「忘れちゃったのか?」
金髪の不良にしょんぼりとした顔をされ、心が痛む。
そう言われたって……。
私は目を細めて、まじまじと彼を凝視してみた。
ん?
え?
も、も、もしかして……!
「し、師匠!?」
「やっと思い出してくれた!!」