BAD & BAD【Ⅰ】
「あ、遅かったね!」
「師匠こそ、早いですね」
「早くないよ。俺達、結構遅い方だったし」
私が階段を下りきると、アイスを食べてる副総長と一緒に階段に腰掛けて、スマホでゲームをしていた師匠が声をかけてきた。
やっぱり、私とたかやんのグループがめちゃくちゃ遅かったんだ。
そんな私達を、皆はホールで待っていたらしい。
退屈しのぎに真修と弘也と桃太郎は、ホールでババ抜きをしていた。
「鷹也がいながら、どうしてこんなに遅くなったわけ?」
真修がババを抜いてくれて喜んでいる弘也に、そう問いかけられる。
「原因は、言わずもがなこいつだ」
たった今階段を下りたたかやんに、私の頭をがっちり掴まれた。
スーパースローで掃除していたことを自覚しました。申し訳ございませんでした。
私が素直に謝れば、たかやんは仕方なさそうに手を離してくれた。