BAD & BAD【Ⅰ】
私、知らなかったよ?聞いたこともなかったよ?当たり前のように知らなかったよ!?
真修の時もそうだったけど、私だけ仲間はずれ!?
疎外感半端ないんだけども。
「よっ、凛」
「何の用だ?」
「流星のごとく現れたっていう、噂の新総長に挨拶しにわざわざ来てやったんだ。ありがたく思えよ?」
「相変わらず、すっげぇうぜぇな。お前のその俺様気質」
「うぜぇって何だよ。お前こそ、相変わらずアイスばっか食って、腹壊すぞ?」
知っているどころじゃない知り合いである、訪問者の1人と凛の会話なんか軽くスルーして。
私はゆっくり知り合いに近づいた。
「で、その新総長ってどこ?」
「俺の隣にいるだろうが」
「えっ、そいつ!?まじか。想像してたのと違ぇ……」
師匠をガン見している知り合いのそばまでやって来た。
知り合いの視線が、ゆるりと私に移される。
「ん?こいつも新入、り…………え?」
「久し振り。あんた、いつの間に不良になったわけ?真修と一緒に、僕に隠し事?」
ようやく、知り合いが私の存在に気づいた。
気づくのおっそいわ。