BAD & BAD【Ⅰ】
「あ、あんたが総長で大丈夫なの?」
「……いっぺん殴らせろ」
「いーやー。痛いの嫌い」
「じゃあなんで不良になった!?」
どうしてこうも、知り合いばっかり不良になってるんだ!
なに?流行ってるの?絶賛不良増加中なの?
幼なじみが全員不良で、ゲーム界の師匠も不良で、隣の席のたかやんも不良で。
私を取り囲む、密度の深い関係の人達が揃いも揃って非行に走り、悪い人間側になっている。
これは由々しき事態だ。
「……で?」
「で、って?」
「用件はなんだ。挨拶だけのために来たわけじゃねぇだろ」
2個目のアイスを平らげた凛の言葉に、朔は「なんだ、気づいてたのか」と総長の表情に豹変させた。