BAD & BAD【Ⅰ】
少年Gにララバイ
「剛、計画は進んでいるか?」
「はい、順調に」
「うむ、ならばいい。下がっていいぞ」
「失礼します」
年齢より若く見えるおじいさまに言われた通り、一礼してからおじいさまの書斎を出た。
扉を完全に閉めると、バタン、と乾いた音が響く。
夜らしい独特な匂いを連れて、自分の部屋へ移動した。
自分の部屋に入っても、息苦しさは抜けない。
眠たくても、眠れない。
ベットに横になり、天井を仰いだ。
“ひとり”になって、もう3ヶ月が経とうとしている。
俺にはもう、神雷の幹部だった頃の面影は、ほとんど無いだろう。
「あいつら、何してっかな」
なんて、そんなこと。
俺には、思い浮かべる資格すらない。