BAD & BAD【Ⅰ】
「小泉先生、怒ってたぞ」
「げっ、まじ?うわ、どうしよ。反省文は避けたいな」
「スライディング土下座でもやれば?」
「えー、膝痛くなるじゃん」
「嫌がるとこ、そこかよ!?」
呆れてるたかやんの隣で、お弁当を頬張る。
卵焼きの甘さ加減が最高。さすがお母さん、私の好みをわかってる。
すると、たかやんのポケットから通知音が響いた。
たかやんはパンを口に押し込んでから、ポケットにしまっていたスマホを取り出す。
「メール?」
「ああ。すぐ消去したけど」
不機嫌な口調でそう返すと、投げやり気味にスマホをポケットに入れた。