BAD & BAD【Ⅰ】
メール開いて10秒も経ってなかったよね?
消去するの早すぎ。
「仲間の誰かからじゃなかったの?」
「違ぇよ」
あ、違うんだ。
「童話みてぇな運命に囚われてる、イタイ奴からだ」
童話みたいな運命?
何それ。
たかやんの知り合いに、そんなメルヘンな人がいたなんて意外だ。
それから、黙々とランチして。
あっという間にお弁当を完食した私が、「ごちそうさまでした」とほくほく顔で言ったと同時に、たかやんが席を立った。
「どこか行くの?」
「自販機で飲み物買ってくる」
「じゃあ私も行くー」
「は?なんでだよ。邪魔だ」
「私もちょうど何か飲みたいなって思ってたところだったの!」
「邪魔だ」
「2回も言うな!」
ちゃんと聞こえてるわ!
むしろ聞きたくないわ!