BAD & BAD【Ⅰ】
どこに加わろうかな。百人一首のところ?でも、ルール知らないしなぁ。
副総長のところに行こうかな。
簡易な畳の広さは4畳。洋館なのに、ここだけ和。寝るにはちょうどいい。寝ないけど。
横になっている副総長のそばに腰掛け、百人一首をしている皆を遠くから眺める。
「……ん」
「あ、起きた?おはよう」
「……」
「副総長?」
寝起きでぼうっとしてるのかな。
いや、ぼうっとしてるのはいつものことか。
「幸珀、か」
「そうだよ。誰だと思ったの?」
「幸珀」
「ちゃんとわかってるんじゃん!」
ふわっと、右頬から結ってる髪へと線を描くようにかすめた、副総長の長い指。