BAD & BAD【Ⅰ】
「あっ、ちょっと腹痛が……」
「嘘つくんじゃありません」
「いーやーだー」
「今日こそは一緒に来てもらうよ」
ちょっと、真修!引きずらないで!!
お尻が痛い!
こういう時だけリーダー風吹かせないでくれる!?
無自覚ジェントルマンのくせに。
私も、これでも一応女なんだぞ?優しくしろ!
そして、私は真修に腕尽くで、パトロールに強制参加させられた。
師匠と真修と一緒に洋館を出て、繁華街の方向へ歩いている。
いわば、警戒心むき出しの散歩だ。
今はまだ神雷のテリトリー内だから、至って問題はない。
繁華街でも問題がなければいいな。
平和が一番!
「幸珀って嫌いなものないの?」
「いきなり何?」
真修が何もないところでコケながら問いかけてきた。