BAD & BAD【Ⅰ】
気をつけて、真修。
ここで転んだらダサいよ。
「弱みを握ってれば、次からそれをネタにパトロールに参加してくれるかなあって」
「あんた、いつからそんな卑劣になったの。それに、それ言ったら普通教えないでしょ」
「あ、そっか!しまった……」
バカだねぇ、真修。
墓穴掘ってどうするの。
「俺も気になるなあ、幸珀の嫌いなもの」
師匠までちゃっかり聞いてきた。
2人の汚れのない純真な眼差しが、眩しい。
しょうがないな、教えてやるか。
私の嫌いなもの、かあ。
なんだろう。
「うーん……手錠?」
「手錠!?」
「あとは、鎖とか?」
「なんで犯罪臭漂わせるの!?怖いよ!!」
師匠が全力で怯えてる。