BAD & BAD【Ⅰ】
束縛が嫌いなんだよね、私。
オーバーなリアクションをした師匠とは対照的に、真修は静かだ。
「真修?」
「繁華街が見えてきた!」
真修、聞いてなかったんかーい!
自分から聞いてきたよね?
私の情報に耳を傾けてよ!
単純な師匠と、ドジっ子真修。
この2人を、私1人で世話しながらパトロールしなきゃいけないの?
面倒さ、倍増してない?
だったら1人で見回りしたいよ。
黄金色の空とは不釣合いな繁華街。
ネオンの光が鬱陶しい。耳障りな騒ぎ声が鼓膜をつんざく。
そんな、乱れ栄えた繁華街の風景に馴染まずに歩く。
「パトロールって、具体的に何すればいいの?」
「歩く」
「見渡す」
私の疑問に、師匠と真修が顔を見合わせて簡潔に答えた。
雑すぎないか?