BAD & BAD【Ⅰ】
「とりあえず、路地裏行ってみようか」
「そうですね!」
「とりあえずって……」
大事なことだから、もう1回言おう。
雑すぎないか?
この2人と一緒で、大丈夫かな?
このまま隣街までぶらり歩いちゃいそうなノリなんだけど。
本当に、神雷の実際の姿は、とことん噂とはかけ離れてるよね。
私はため息をこっそり吐きながら、適当でグダグダな2人についていった。
大通りを外れ、薄暗い路地裏を通る。
狭くて細い道は、ガランとしていて静かだ。
時々人とすれ違うが、それも数え切れるほど。
……あれ?
ふと、違和感を感じた。