BAD & BAD【Ⅰ】




なぜか、当ててあげようか?


たかやんが臆病だったからだよ。



過去形で言ってあげたのは、これからに賭けてるから。



そろそろ、成長してもいいんじゃない?

あんた、男でしょ?




「……」


「…………話さないんなら、行くけど?」


「あああっ、待て待て!話す、話すから!!」



やっぱり無理してる。

別にいいのに、無理しなくて。



たかやんの弱音には、神雷の絆や事情、この地域の異変も関わってくる。


ぶっちゃけ、面倒くさいったらありゃしない。



今じゃなくても、てか永遠に話さなくたっていいんだよ?



話したくないなら、話さなければいい。

話したいなら、話せばいい。


それくらい、飄々としてなよ。




「ちゃんと、話すから」


たかやんは目を閉じて、心臓を落ち着かせるように深呼吸をした。




覚悟が、できたんだね。


それなら、聞いてあげよう。



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