BAD & BAD【Ⅰ】
「喧嘩すれば不良になれるんだ!って思ったから、その喧嘩に混ざったんだ」
うん、う……ん?
何その安直な考え。
今時、小学生でもそんな風には考えないよ?
「そしたら、神雷の人達が固まっちゃって」
でしょうね。
知らない人が喧嘩に乱入してきたら、誰だって驚くわ。
そもそも、乱入してくる一般人は滅多にいないし。
「その間に、俺ひとりで、神雷の敵をやっつけちゃったんだ」
「嘘つけっ!!」
ずっと心の中でツッコミを入れていたが、耐えられなくなって口からこぼれ落ちた。
さすがに話を盛りましたね?師匠。
「嘘じゃないよ。俺、元々力ある方なんだよ?それに、神雷の人に『喧嘩の才能あるね』って褒められたし!」
神雷の人達、順応力高すぎでしょ!
見ず知らずの他人に、よくそんなこと言えるね!?
あと、師匠!それ、褒め言葉として受け止めてもいいんですか!?
「それで、喧嘩終わった後に神雷の人達にスカウトされたんだ。『君、総長やってみない?今なら返事するだけでなれちゃうよ☆』って」
軽いな、おい。