BAD & BAD【Ⅰ】
「たかやんさー、ちょっと女々しすぎじゃない?」
「なっ……!」
空き缶を、片手で握り潰す。
やっと、目が合った。
女々しいたかやんに、私が一喝入れてあげるよ。
「自己満足だとしても、きちんと責任を取って神雷の空気を変えようとしたのは、すごい行動力だし格好いいと思うよ」
格下げってやり方が、実にたかやんっぽい。
「でも、問題なのはそこから。出禁中に恐怖が芽生えちゃったのか知らないけど、過去にすがってるだけで何も行動できてないじゃん」
最初の行動力はどこに行ったの?
朔が報告の最後に、『まあ、とりあえず、教えといたぜ。何かすんのかしねぇのかは、あいつと仲間“だった”お前らが勝手に決めな』と言い残していた。
あれって、今はまだ何もしていないってことでしょ?
昔はああだっただの、あいつを信じていただの。
ネチネチ考えてるくせに、割り切れずに後悔ばかり募らせてるばかりで。
「それに、本当に十蔵寺剛は神雷を裏切ったの?」
「え?」