BAD & BAD【Ⅰ】




本当に信じていた気持ちが過去のものになっていて、信じるのをやめていたら、殺気立つかどうでもいいかのどちらかだろう。



傷ついた顔をしている時点で、信頼を消せていないのが一目瞭然。


皆、今頃気づくなんて遅すぎるよ。



でも――。




「俺達は心の中ではずっと、剛を信じていたんだ」


「言葉ではなんとでも言えるよ」



信じてるから、何?


言葉だけじゃ足りない。

足りないどころか、むしろ要らない。



都合のいい、言葉のみの信頼なんか捨ててしまえ。



「信じているのなら、それをちゃんと行動で示さないと」



信じる気持ちを動力源にして。


女々しくくよくよしてないで、図太くどしっと構えて。



言葉はなくとも、伝わるように。



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